【第三のうつ病予防】L-フェニルアラニンを3年間飲んでみた感想とその効果

はじめにL-フェニルアラニンの3つの特徴

 必須アミノ酸(体内で作られないアミノ酸)の一種

 やる気の源であるドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンの原料となる

 フェネチルアミンの原料にもなるので第三のうつ病を克服し得る

 

L-フェニルアラニンとは?

L-フェニルアラニンは必須アミノ酸の一種です。必須アミノ酸とは体内で合成できないアミノ酸の総称で、必ず食事などから摂取しなければなりません。人工甘味料として広く使用されている実績があります。

L-フェニルアラニンは摂取すると肝臓にて代謝されてチロシンへと変化します。チロシンはやる気の出るスマドラとして人気ですが、それは私たちの意欲や喜びの原動力となるドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンの原料であるからです。

また、L-フェニルアラニンの最大の特徴として脳内物質フェネチルアミン(フェニルエチルアミン)の原料ともなることが挙げられます。フェネチルアミンの不足が原因で引き起こされるうつ病は「第三のうつ病」として認められています。

ちなみにフェニルアラニンには、天然の物質である「L-フェニルアラニン」と人工化合物である「D-フェニルアラニン」とがあります。名前は似ていますが、全く違うものであると考えて良いです。フェニルアラニンと名の付くサプリメントには「Lだけが入っているもの」「Dだけが入っているもの」「LとDが混合して入っているもの(DLPA)」の三種類があります。

本稿で紹介していくのは「L-フェニルアラニン」です。

 

L-フェニルアラニンの効果

やる気・意欲の向上

L-フェニルアラニンは摂取されると体内で次のように変化します。

 
L-フェニルアラニン
  ↓
L-チロシン
  ↓
L-ドーパ
  ↓
ドーパミン(やる気の源)
  ↓
アドレナリン、ノルアドレナリン(判断力や集中力の源)

 
前述の通り、チロシンはドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンの原料であるのでスマドラとして非常に人気のあるものですが、L-フェニルアラニンはそのチロシンの原料となるものです。変換効率の観点から即効性という意味ではチロシンに分がありますが、L-フェニルアラニンは緩やかな効果を発揮するものであると言っていいでしょう。

体内でチロシンが不足した際にはL-フェニルアラニンがバックアップしてくれるので、L-フェニルアラニンは日常的な健康増進のために摂取するのが向いているように思います。

抗ストレス作用

人体がストレスに脅かされるとアドレナリン、ノルアドレナリンという脳内物質が大量に分泌されてストレスに打ち勝とうとします。しかし、それら脳内物質には原料があり、原料は体外から摂取しなければ限りがあります。底をついてしまうことはすなわちストレスに負けてしまうことを意味し、体調不良や無気力にさいなまれてしまいます。

特に強いストレスに長期的にさらされている場合にはL-フェニルアラニンを定期的に摂取することによって、ストレスと戦う脳内物質の原料を補充することに繋がります。

抗うつ作用

L-フェニルアラニンの本領は抗うつ作用にあります。現在、うつ病の原因は大きく3種類にわけられています。

1. セロトニンの不足
2. ノルアドレナリンの不足
3. フェネチルアミンの不足

これらのうちL-フェニルアラニンは「2.ノルアドレナリンの不足」「3.フェネチルアミンの不足」の2つに対応します。

ノルアドレナリン

ノルアドレナリンは主に感情面に作用する脳内物質です。大事な試合の前などに気持ちが高ぶることを「アドレナリンが出てきた」と表現することがありますが、「アドレナリン」は主に緊張状態で心拍数を高めたり、血圧を高めたりと身体に作用します。それに対して「ノルアドレナリン」は同じ緊張状態でも感情面に作用します。つまりは、やる気・意欲、集中力、判断力や記憶力が高まるということです。

うつ病治療薬にはSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)と呼ばれるものがあり、これは脳内でのセロトニンとノルアドレナリンを「減少させない」ことを目的としたものです。

L-フェニルアラニンはノルアドレナリンの原料でもありますから、ノルアドレナリンを「増やす」ことによってうつ状態を克服し得るものであると言えます。

フェネチルアミン(フェニルエチルアミン)

フェネチルアミンは恋愛をしている時に脳内から大量に分泌されるもので、別名「恋愛ホルモン」とも呼ばれます。恋をしている時に多幸感や無敵感がもたらされ、何でもないことに喜びを感じることができるのはフェネチルアミンの分泌が一つの理由です。

フェネチルアミンの欠乏によるうつ症状は「第三のうつ病」と呼ばれますが、L-フェニルアラニンの最大の特徴としてこのフェネチルアミンの原料になることが挙げられます。これはチロシンにはない特徴です。

実際にフェネチルアミン値が低いうつ病患者にフェネチルアミンを投与したところ、うつ症状が改善したとするエビデンスがあります。

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L-フェニルアラニンとチロシンどちらを摂るべきか

L-フェニルアラニンとチロシンはいずれも「やる気の出るサプリ」として人気のあるものですが「では、どちらを摂るべきか」という疑問があると思います。本稿が示す指針としては下記です。

L-フェニルアラニンは日常の健康のために定期的に摂取する

L-フェニルアラニンはその特性上、緩やかにメンタル上の健康を底上げするものあるとみなすことができます。従って、例えばマルチビタミンサプリのように日常の中で定期的に摂取することが効果的です。チロシンが不足した時には適宜チロシンへと変化することができますし、フェネチルアミンの原料になることで日々の幸福感の増進やうつ症状のリスクにも対応することができます。

チロシンは「ここぞ」という時に摂取する

逆にチロシンは「今日はやる気を出したい」という時などに照準を絞って不定期に飲むのが良いと思います。栄養ドリンクや風邪薬のような使い方でしょうか。特にチロシンは耐性がつきやすいと言う報告も多くあるので、チロシンのパフォーマンスを最大限に発揮するためには「ここぞ」という時だけ摂取するのが推奨されます。

 

L-フェニルアラニンに副作用はある?

L-フェニルアラニンは甘味料として既に広く利用されており必須アミノ酸でもあるので、それ自体に副作用を持つものではありません。但し、過剰摂取の副作用についてはいくつか報告があります。また、先天的にL-フェニルアラニンを代謝できない体質である人もごくまれにいるようです。下記で見ていきましょう。

高血圧の人は注意が必要

L-フェニルアラニンが原料となるドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンは興奮性の脳内物質で血圧を高める働きがあります。高血圧の人において多量の摂取は注意が必要です。

肝機能障害の人は注意が必要

摂取されたL-フェニルアラニンは肝臓で代謝されてチロシンへと変化します。肝臓に病気を抱える人の大量摂取は注意が必要です。

妊娠中・授乳中の女性は注意が必要

妊娠中・授乳中の女性がL-フェニルアラニンを大量摂取はした際の安全性は確認されていません。もちろん、適正量の摂取は問題ありませんが、万が一がありますので多量の摂取は避けたほうが無難です。

大量摂取はセロトニンの分泌を妨げる可能性がある

セロトニンの原料となる必須アミノ酸にL-トリプトファンがありますが、脳内に到達するためにL-フェニルアラニンと同じ経路を辿ります。すなわち、L-フェニルアラニンの大量摂取はセロトニンの合成を妨げることにも繋がります。逆も然りです(L-トリプトファンの大量摂取はドーパミン等の生成を妨げ得る)。

もちろん、これは過剰に摂取した場合の話ですので、適量を守っていれば問題ありません。

L-フェニルアラニンを代謝できない病気「フェニルケトン尿症」

およそ8万人に1人と言われる「フェニルケトン尿症」はL-フェニルアラニンを代謝するための遺伝子が先天的に損なわれている病気です。サプリメント等での補助は避けるべきです。

 

L-フェニルアラニンの基準摂取量

L-フェニルアラニンの摂取基準量として1日1500mgという数値が示されていますが、甘味料として広く使われていますし、普段の食事からも摂取できますので、必ずしもサプリメントから1500mgを摂取する必要はありません。

サプリメントにて補助的に摂取する場合には1回200mgを一日2〜3回にわけて摂取することが目安となります。

 

L-フェニルアラニンが含まれる食べ物

L-フェニルアラニンはアミノ酸、つまりタンパク質ですので、肉、魚、卵、大豆、ナッツ等に多く含まれます。普段から不足しがちな魚、卵を積極的に摂り、日本が世界に誇る大発明である納豆を食卓に並べることでL-フェニルアラニンだけでなく広く栄養を摂ることができ、健康が増進されます。
 
 

L-フェニルアラニンを飲むタイミング

L-フェニルアラニンをサプリで補助的に摂取する場合、空腹時に飲むことが推奨されています。食前や食後だと、食品中に含まれる他のアミノ酸と競合してしまい、効果が最大限に発揮されないからです。これはL-トリプトファンなどの他のアミノ酸のサプリメントにも言えることです。

アミノ酸を脳に運ぶ役割を果たすのがビタミンB6と糖分です。従って、バナナなどのフルーツや砂糖入りのコーヒーと共に飲むと効果が高いです。飲み合わせの良いサプリメントとしてはビタミンB群が挙げられます。

 

L-フェニルアラニンを3年間飲んでみた感想

L-フェニルアラニンの効果は非常に緩やかなので、なかなか実感が湧きづらいところではあります。それでも、油断すると食生活が偏りがちになってしまう私にとっては常用しているサプリメントのうちの一つです。不安になりがちな性格で、過去にうつ状態に陥ったことがあるので、うつ病の再発防止としての効果も期待しています。

L-フェニルアラニンの服用を3年間続けていますが、今のところメンタルが不調になることはないので、ある程度の効果があるのかなと思っています。

 

L-フェニルアラニンサプリの購入方法

L-フェニルアラニンのサプリメントは国産と海外産とがあります。国産のものは発送が迅速であることが利点ですが価格が高いです。海外産のものは到着までに日数がかかりますが、コスパは大変に良いです。私は海外産のものを使っていますが、好みに合わせて選ぶと良いでしょう。

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