ナイアシンの大量摂取による効果と副作用を検証する

ナイアシン(ビタミンB3、ニコチン酸、ニコチン酸アミド)はビタミンB群の一種です。近年、ナイアシンを高用量で摂取することで健康効果があるとの言説が広く知られるようになってきました。

本稿においては「副作用の心配はないのか」「ナイアシンの大量摂取には本当に効果があるのか」について検証していきます。

ちなみに、ナイアシンは「ニコチン酸」と「ニコチン酸アミド」の総称ですが、タバコに含まれる有害物質ニコチンとは全く関係がない物質です。

ナイアシンの大量摂取による副作用はないの?

ナイアシンは水溶性であり不要分は尿などで体外へ排出されますので、安全性の高い栄養素です。ナイアシンの大量摂取による副作用として挙げられるものに「ナイアシンフラッシュ」「頭痛や吐き気」「痛風」「肝毒性」があります。下記で一つずつ検証していきましょう。

ナイアシンフラッシュ

皮膚の紅潮や痒みが発現するものです。しかし、上で述べた通り、ナイアシンフラッシュは人体の正常な反応であり、有害な反応ではありません。有益であるかどうかはわからないけれど、少なくとも有毒な反応ではないということ。

ちなみに、ナイアシンフラッシュを防ぐためには2つの手段があります。

 
1. 25mg程度の低用量から摂取を始め、身体を慣らしておく。

2. 「ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)」のサプリメントを用いる。ナイアシンアミドはナイアシンとビタミンとしての機能は全く同じで、紅潮を引き起こさない物質。

 
また、ナイアシンを大量摂取してもナイアシンフラッシュが起こらないこともありますが、それはナイアシンが体内で欠乏している可能性が考えられます。

頭痛や吐き気

頭痛や吐き気という副作用は他のサプリメントにおいても大量摂取すれば引き起こされることのあるものです。正常な生体反応と言えるでしょう。解決策は2つあります。

1. 1日25mg程度の低用量から始める
2. 食事と共に摂取する

痛風患者は注意が必要

ナイアシンの大量摂取は尿酸値の上昇を招くため、尿酸排泄治療にも関わらず痛風発作が頻繁に起こる患者は、摂取を避けた方がよいとの見解があります。

ナイアシンの大量摂取によって痛風になる可能性があるということではなく、痛風が頻繁に起こる人は摂取を避けたほうが無難であるということです。

肝障害のリスク(賛否両論)

1日3,000mg以上の摂取で肝障害の可能性が示唆されていますが、ナイアシンの大量摂取に肝毒性はないと断言する学説もあり、一致していないのが実情です。

但し、”「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書“によれば、一般成人男女におけるナイアシンの1日の推奨摂取量は10〜15mgNEであり、耐用上限量(安全に摂取できる量)は250〜350mgNEとされていますから、サプリでの3,000mgというのは有害かどうかは別としてかなりの高用量であることがわかります。

※ナイアシン当量(mgNE)=ナイアシン(mg)+1/60 トリプトファン(mg)

副作用を懸念するなら、耐用上限量である1日250mg〜350mg程度に留めておくのが良いでしょう。推奨摂取量に比べればこれでも充分に大量摂取であると言えます。
 

補足情報(ナイアシンの安全性は極めて高い)

ナイアシンはビタミンB群の中でも大量摂取をしても副作用の少ない栄養素です。例えば、ビタミンB6やビタミンB12の大量摂取は肺ガンのリスクを高めるとされますし、葉酸は亜鉛の吸収を阻害するとされます。

それに比べてナイアシンは上で見てきた通り、重篤な副作用の懸念は「もしかしたら肝毒性があるかもしれない」程度であり、症例も少ないかほぼないものです。

 

ナイアシン大量摂取の効果

1. アルツハイマー病などの記憶障害の発症を抑制する

カナダの精神科医エイブラハム・ホッファー博士によれば、ナイアシンを高用量(2,000~3,000mg)で投与することによりアルツハイマー病が治癒するとの研究成果を発表しています。また、同博士は自身でも健康のためにナイアシンを大量摂取しているとのこと。

記憶障害を改善するだけでなく、毎日141mgのナイアシンの摂取によって健康な成人の記憶力を10〜40%向上させたとの報告もあります。

2. 統合失調症やうつ病(心の病)を改善する

同じく、エイブラハム・ホッファー博士の研究など複数の研究によれば、ナイアシンが強迫性障害や、不安、双極性障害、うつ、精神病的行動、統合失調症の有効な治療法になると報告されています。ビタミンの中でも心の病に効果のある最も有名な栄養素とされます。

3. 花粉症などのアレルギーを抑制する(検証中)

ナイアシン(ニコチン酸)を大量摂取(1日100mg以上)すると「皮膚の紅潮やかゆみ」が現れることがあります。これは「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれます。

ナイアシンの摂取によってヒスタミンが血中に溶け出すことから一時的にナイアシンフラッシュが起き、それが解毒のような効果を発揮してアレルギーを抑制するというメカニズムのようです。また、ただ単にナイアシンフラッシュ自体のスッキリする感じに快感を求める場合もあるようです。

ナイアシンの大量摂取とアレルギーの抑制を示す研究は寡聞であり、因果関係があるのかどうかは今のところ不明です。

 

本稿における結論と補足

1. ナイアシンが人体における心身の健康にとって極めて重要な栄養素であることには変わりありません。大量摂取のリスクよりも、欠乏によるリスクのほうが大きいと考えられます。

2. 副作用の懸念や1日の耐用上限量、最新の学説などを統合して考えると、1日100mg〜500mgの摂取が安全に運用できて効果も期待できる量であると考えられます。3,000mgはさすがに多すぎかなという印象です。

3. うつ病などの心の病を抱える人にはナイアシンの大量摂取は試してみる価値があると思います(理由の一つとして、ナイアシンが不足しているとセロトニンの合成が滞ってしまうため)。

4. ナイアシンはアルコールを代謝する際に生成されるアセトアルデヒドを解毒する作用があるので、お酒をよく飲む人にも特に推奨される。

5. ナイアシンと共に「ビタミンC」と「トリプトファン」の摂取が飲み合わせが良いです。

 

おすすめのサプリメント

▲100mg含有の比較的低用量なナイアシンサプリ。初めてには最適です。

 

▲ナイアシンフラッシュが起きない「ナイアシンアミド」サプリです。

 

▲ナイアシンと飲み合わせの良いビタミンC。1,000mg〜2,000mgを1日複数回にわけて飲むのが効果的です。

 

▲アミノ酸であるトリプトファンはセロトニンと共にナイアシンの原料となります。充分量のトリプトファンとナイアシンを摂取して初めて効率的にセロトニンが合成されます。セロトニンの欠乏は幸福感の欠如やうつ病の一因になります。

 
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参考文献:

 
参考サイト:

ナイアシン|wikipedia
ニコチンアミド|wikipedia
ビタミン過剰症|wikipedia
ビタミンの高用量摂取がアルツハイマー病を抑える。それならば医師は何故それを勧めないのか|JSOM
統合失調症のナイアシン療法|JSOM
ナイアシン、ニコチン酸およびニコチンアミド||「健康食品」の素材情報データベース

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