【スイカは好きですか?】シトルリンを3ヶ月間飲んでみた感想とその効果
はじめにシトルリンの3つの特徴
日本にてスイカから発見された遊離アミノ酸の一種
ノーベル賞を受賞した一酸化窒素(NO)生成において重要な要素である
副作用はほぼなく、安全性の高いサプリメントのひとつ
シトルリンとは?
スイカは好きですか?
シトルリンは1930年に日本で発見された遊離アミノ酸の一種で、スイカ(学名Citrullus unlgaris)から発見されたことから「シトルリン」と名付けられました。日本では2007年からシトルリンが医薬品から食品成分として区分され、サプリメント等として販売可能となった経緯があります。
遊離アミノ酸とは、それ自体はたんぱく質の中に存在しないもののアミノ酸が体内で代謝された際に生成される栄養素を指します。シトルリンはアルギニンが代謝される過程で生合成されます。同じくアルギニンから生成される遊離アミノ酸としては「しじみの力」として有名な「オルニチン」があります。
ルイス・イグナロ博士が1998年にノーベル生理学・医学賞を受賞した功績は一酸化窒素(NO=Nitric Oxide)の発見ですが、シトルリンの代謝産物が一酸化窒素(NO)です。一酸化窒素(NO)には血管拡張作用があり、心臓を強くする他、様々な健康効果をもたらします。この大発見が未だにあまり知られていないのは残念なことです。
シトルリンには「L-シトルリン」と「D-シトルリン」とが存在しますが、自然界や生体内に存在するのは「L-シトルリン」であり、本稿において解説していくのもL体の方です。
シトルリンの効果
抗疲労作用
疲労感を訴える男性18名を対象に、1日あたり6gのシトルリン/リンゴ酸サプリメントを15日間経口投与した臨床研究では、疲労感の軽減、運動時のATP(アデノシン三リン酸)産生の亢進、ホスホクレアチン(筋肉中のエネルギー源)回復の促進といった効果が認められたという。
『サプリメント事典 第3版』(蒲原聖可、平凡社、P282)
シトルリンはアスリート向けのサプリメントとしても有名です。筋肉を付けるためというよりは、疲労感を軽減する効能を期待してのものです。
日常生活においてエネルギーを産出し疲労感を軽減するサプリメントとしては「コエンザイムQ10」がありますが、そのメカニズムはエネルギー源であるATPを作り出す作用にあります。シトルリンにも「ATP産生の亢進」作用があるので、アスリートだけでなく一般的な私たちの日常における疲労感に対しても効果があるとみなして良いでしょう。
血中アルギニン値の上昇
[被験者に1日あたり0g(対照群)、1g(低用量)、2g(高用量)のシトルリン(スイカ果汁)を3週間投与した結果、]低用量のスイカ果汁摂取によって空腹時の血漿アルギニン値が投与前に比べて12%増加した。また、高用量のスイカ果汁摂取では、投与前に比べてアルギニン値が22%、オルニチン値が18%増加した。
『サプリメント事典 第3版』(蒲原聖可、平凡社、P282)
「アルギニン」には免疫力を上昇させる効果があることがわかっており、エナジードリンクにもタウリンの代わりに含有されていることが多いです(タウリンは医薬品扱いのため清涼飲料水には成分として含めることができない)。「オルニチン」はしじみに多く含まれていますが、こちらもアスリート向けのサプリメントとしても販売され、広く支持されています。
シトルリンを摂取することによって、体内の特にエネルギー源となるメカニズムに好循環を生み出すことができるということです。
シトルリンのその他の効果
・血管拡張作用
・動脈硬化抑制作用
・抗酸化作用
・皮膚の水分保持[シトルリンは天然保湿因子(NMF)のひとつである]
シトルリンに副作用はある?
シトルリンはスイカを始めとする私たちが日常的に食べるウリ科の植物に含まれている天然の成分であり、副作用は特に報告されていません。具体的には、健康な成人男性において1回に15gまでは安全に摂取できたとの報告があります(PMID:17953788)。このことからも、サプリメントとしてはかなり安全な部類であるとみなして良いでしょう。
シトルリンの基準摂取量
シトルリンには特に定められた摂取量はありませんが、『サプリメント事典 第3版』(蒲原聖可、平凡社)によれば「1日800mg」が一般的であるとされています。これを基礎にしながら、各サプリに表記されている目安量に準じて摂取するのが良いでしょう。
シトルリンが含まれる食べ物
シトルリンは先述の通り、ウリ科の植物の実に多く含まれます。具体的には、スイカ、メロン、ゴーヤ、キュウリ、冬瓜です。食品だけから必要量のシトルリンを摂取するのはなかなか難しいので、バランスの良い食事を心がけながらサプリメントによって補助するのが合理的です。
シトルリンを飲むタイミング
シトルリンは空腹時に摂取することで吸収率が高まります。海外製のシトルリンサプリメントにも「between meals(食間に摂取すること)」との記載があります。また、シトルリンは長期的な摂取によって効果が期待されるものです。
シトルリンを3ヶ月間飲んでみた感想
飲んでいたのはNOW社製のアルギニン&シトルリンサプリメントです。この2つは一酸化窒素(NO)生成において密接な関係にあるものなので、是非とも一緒に摂ることをおすすめします。
実感としては「寝起きが良くなった」ことと「疲れにくくなった」ことが挙げられます。目覚めてからだらっとすることが少なくなりましたし、意志決定に時間がかる(つまり、精神的な疲れが溜まっている)ことも殆どなくなりました。頭がクリアになった感覚があり、読書のスピードも上がりました。
シトルリンは筋トレサプリとして宣伝される傾向にありますが、疲れ気味である人やアンチエイジングを志向する一般の人にもおすすめできるものです。
シトルリンサプリと飲み合わせの良いサプリメント
シトルリンは、オルニチン回路(尿素回路)にとって重要な構成要素です。オルニチン回路の主要な機能は3つあります。
・ATP(アデノシン三リン酸)を生産し、エネルギーの源となること
・有毒なアンモニア(疲労の原因)を尿素へ変換して無毒化すること
・ブドウ糖を合成し、脳が働くためのエネルギーを作り出す
オルニチン回路においてはシトルリンの他、「アルギニン」「オルニチン」も深く関わっており、これらはシトルリンと非常に飲み合わせの良いサプリメントです。私はこれらを「三種の神器」と名付けています。
シトルリンサプリの購入方法
上で挙げた通り、おすすめのシトルリンサプリは米サプリ大手NOW社製のアルギニン&シトルリンサプリメントです。飲み合わせの良い2種類が予め適切な割合で配合されており、高品質&低価格であるのも魅力です。
アメリカではサプリメントの品質については非常に厳しいので高品質については国のお墨付きです。また、日本国内産のサプリメントは広告宣伝費が商品価格に上乗せされているので往々にして高価であることが多いです。NOW社製品が特別安いというよりは、日本国内で販売されているサプリメントが異様に高いのです。
私はサプリメントを買う際は殆どNOW社のものです。迷ったらこれで間違いないという心強さがあります。どうしても国内産の商品が良いという人にはDHC製のものが良いでしょう。