【定番にして最強】DHA・EPAを3ヶ月間飲んでみた感想とその効果
はじめにDHA・EPAの3つの特徴
魚好きの日本人に馴染みの深い栄養素である
頭が良くなるサプリとしても有名
うつ病予防・改善に明らかな効果がある
DHA・EPAとは？
魚に含まれる「必須脂肪酸」
DHAとEPAは青魚に多く含まれる「多価不飽和脂肪酸」の一種で、これらはn-3（ω-3）脂肪酸とも呼ばれます。人間の体内では生成できないため必ず食事から摂取する必要のある「必須脂肪酸」に分類されます。
DHAとEPAは融点が低く、固まりにくいのが特徴です。寒冷地の魚類（変温動物）が凍ったり固まったりしないのはこれら不飽和脂肪酸が有用に機能しているからであるとされます。DHAとEPAは魚が食べた植物に含まれるαリノレン酸が変化して生成されたものです。
うつ病への効果には科学的根拠あり
DHA・EPAはサプリメントの中でもかなり研究が進んでおり、後述するように特に「うつ病を予防・改善する」効果にはエビデンスがあります。うつ病というのはストレス等により脳機能が耗弱している状態ですから、それを改善することはつまり頭の働きを活性化する（頭が良くなる）ことも大いに期待されます。
DHAとは「ドコサヘキサエン酸」のことで特に脳内に多く存在する脂肪酸、EPAは「エイコサペンタエン酸」で血中に多く存在します。厳密には違うものなのですが、本稿では「魚に含まれる必須脂肪酸」としてまとめて記述していきます。厚生労働省による基準摂取量には「DHAとEPAを合わせて一日1g以上の摂取」とされています。
DHA・EPAの効果
『サプリメントエビデンスブック 成分・疾患からみる研究論文』（久保明、じほう、P28）によれば、DHA・EPAには下記の作用があるとされています。
・血中中性脂肪低下、コレステロール低下（軽度）作用。
・心室性不整脈を生じにくくする。
・動脈硬化進展を抑える。
・一酸化窒素（NO）による血管拡張反応と協調する。
・空腹時、食後の中性脂肪値を低下させる。
・記憶学習効果や情緒安定化作用。
特に「中性脂肪値の正常化」や「血小板凝集の抑制（血液をサラサラにする効果）」には科学的根拠があり、信憑性が非常に高いです。DHA・EPAとは要するに「魚に含まれる脂肪」ですが、不思議な事に「中性脂肪（体に悪影響を与える脂肪）」を正常化してくれる作用があるのです。
スマドラとしてのDHA・EPAの効果としては下記2点が挙げられますので、詳述していきましょう。
記憶力・読解力の向上
イギリスの学者マイケル・クロフォード博士が1989年に発表した『原動力（原題：THE DRIVING FORCE）』という著書の中で「人類はDHAをとることにより、脳を発達させることができる。欧米よりも日本の子どもの学習能力が高いのは、母親が魚や海藻をよく食べ、母乳中のオメガ3濃度が高いからである」と発表したことによって、DHA・EPAは一躍脚光を浴びたという経緯があります（山田豊文『「食」を変えれば人生が変わる』より）。
研究結果としては下記があります。
・DHAを投与したラットのほうが迷路の中で餌を探し出せる確率が高かった。
・DHAを与え続けた乳児は他のグループよりもIQが10ポイント高く成長した。
・DHAを継続して摂った学生は他の学生よりも読解力が高かった。
後に見るように、DHA・EPAには抗うつ効果が認められていますから学習能力を含む脳機能を向上させたとしても不思議はありません。但し、誤解なきように言い添えておくと、DHA・EPAの効果は「能力の限界を超える」というものではなく「脳の機能を正常化する」ということです。
特に近年では多くの人が食生活が偏りがちでそもそも脳機能が鈍っているのが普通になってしまっているところを、DHA・EPAによって正常化することができる。つまり、相対的に「頭が良くなる」ということに繋がるというわけです。
情緒安定・抗うつ効果
私たちの気分と太陽光には密接な関係があります。北欧のように冬になるとほとんど日が差さない地域では冬季になるとうつ病患者が増加する傾向にあります（季節うつ病）。
しかし、魚の消費量の多い島国アイスランドではうつ病の発症率が非常に低いのです。調査の結果、研究者は魚の摂取量とうつ病の発症は相関関係にあると結論付けられています。同じ北欧でも肉食中心の国では季節うつ病の発症率が高いことも同時に示されています。
上記以外にもDHA・EPAとうつ病の関係を調査した研究結果は豊富に揃っています。複数の研究論文を統合して分析することをメタアナリシス（メタ分析）と言い、医療分野における最も質の高い根拠とされますが、DHA・EPAにおけるうつ病の効果はメタアナリシスにおいても有意であるとされています。
台湾の高雄大学のリンらは、1966年から2006年までに行われた10の研究、329人に対するメタアナリシスを行いました。すると、n-3脂肪酸を投与することで、うつ状態が3割程度軽減する効果が見られたのです。n-3脂肪酸には、明らかにうつ病に対する効果があるようです。
『誰も知らないサプリメントの真実』（高田明和、朝日新書、P92-93）
数ある栄養素の中でもこれほどはっきりと効果があると示されているものはなかなかないでしょう。DHA・EPAはうつ病に対してはっきりとした効果があります。
DHA・EPAに副作用はある？
特に目立った副作用はありませんが、サプリメント等で大量摂取してしまうと血が止まらなくなることがあります。これは「血液サラサラ効果」が過剰になってしまい、血小板が上手に機能しなくなることによるものです。
但し、例えば私たちが回転寿司を食べすぎた（つまりDHA・EPAを摂り過ぎた）次の日、血が止まらないなどの何らかの副作用があるかと言えばそうでもないので、サプリメントでの補助を含む日常生活の中では副作用が起きることはほぼないと言っていいでしょう。
DHA・EPAの基準摂取量
厚生労働省によればDHA・EPAを合わせて一日1g以上の摂取が推奨されています。1週間分をまとめてと言うよりは、毎日継続して摂取することが望ましいです。
上限に関しては、一日3gまでの摂取において問題ないとされています。
DHA・EPAが含まれる食べ物
DHA・EPAは周知の通り青魚に多く含まれます。DHAはマグロ、カツオ、サンマ、サバなどに、EPAはイワシなどです。また、海藻にもDHA・EPAの前駆体でありn-3（ω-3）脂肪酸の一種であるα-リノレン酸に多く含まれますから、積極的な摂取が推奨されます。
魚を食べるというと面倒なイメージがあるかもしれません。鯵の開きを買ってきてグリルで焼く、鮭の切り身を買ってきてフライパンで焼く、高価な寿司や刺し身を食べる、など。
しかし、DHA・EPAを摂取するには缶詰で充分です。鯖の缶詰なら調理不要な上に1缶100円程度で売られています。加えて、DHA・EPAは非常に酸化・劣化しやすい性質があるため、サプリメントでの摂取よりは缶詰で構わないのできちんと魚を食べることが一番です。
DHA・EPAを飲むタイミング
DHA・EPAを飲む適切なタイミングは「食中や食後すぐ」です。DHA・EPAは脂肪酸なので、食事に含まれる油とともに摂ることで吸収率が高まるからです。逆に、空腹時には吸収率が低くなってしまいます。
DHA・EPAを飲んでみた感想
私が子どもの時にDHAブームが起きていたらしく、両親に「頭が良くなるらしいよ」とDHAのサプリメントを飲まされていました。私が魚嫌いだったこともあったのでしょう。
その結果かどうかはわかりませんが、記憶力が非常に良かったのを覚えています。学業成績も悪くはなかったのですが、何より「誰に何を話したか」というのを完全に詳細に記憶していました。DHAサプリを飲むのをやめてしまった高校時代には誰に何を話したかが混乱し、同じ人に同じことを話してしまうことが多くなったように思います。
現在ではDHA・EPAのサプリメントは飲んでいないのですが、鯖の缶詰は意識して食べるようにしています。食生活が乱れてシリアルやラーメンばかり食べている時の精神状態・体調と、自炊をして魚もきちんと食べている時の具合とはだいぶ差があるように実感しています。もちろん、魚を食べているときのほうがすこぶる体調が良く、脳の働きも明瞭で、活動的です。
上で見てきたようにDHA・EPAとうつ状態・情緒安定・脳機能には密接な関係があるとのエビデンスが示されていることは最大の強みであると思います。
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