【濫用厳禁】あなたの知らないキケンなハーブ3選【サプリ】
1. カヴァ ―神秘の酩酊ハーブ
不安に効果があることが実証されている
129名の外来患者 (実分析127名、ドイツ) を対象とし、多施設間で実施された8週間の二重盲検無作為割付比較試験において、1日あたり400 mgのカバ製品 (Kava LI 150) の摂取は全般性不安障害 (GAD) の治療薬 (Buspirone または Opipramol) と同様の効果がある (PMID:12807341)
カバ|「健康食品」の素材情報データベース
カヴァ(カバやカヴァ・カヴァとも呼ばれる)は不安に対して効果があるとのエビデンスが確立されています。
カヴァはポリネシア原産のコショウ科の植物で、古くから飲み物として儀式や祝祭などで用いられてきた歴史があります。爽やかな香りがあり、飲むと独特の酩酊感があります。カヴァにはカヴァラクトンを始めとする16種類もの独自成分が含まれており、それらが抗不安・リラックス効果をもたらすと考えられています。
どの辺がキケンなの?
カヴァには副作用として肝毒作用が多数報告されています。大量摂取や長期摂取で症状が誘発されることがわかっており、世界的に規制の動きが見られます。いま手元にあるカヴァサプリメントにも「Daily usage not to exceed 4 weeks(4週間を超えて毎日摂取しないこと)」と記載されています。アルコールとの併用は避けたほうが良いでしょう。カヴァは日本では医薬品指定です。
しかし、カヴァは抗不安作用が科学的に実証されていることからもわかる通り、適切に用いれば有用なハーブです。不安に対する効果が確立しているサプリメントは稀有です。
2. ヨヒンベ ―謎に包まれた強壮剤
やる気を維持する
ヨヒンベには「ドーパミンを減らさない」という珍しい作用があります。ドーパミンは私たちのやる気の源となる脳内物質です。
例えば「やる気が出るサプリ」の代表として「N-アセチルチロシン」がありますが、これはドーパミンの原料となるため「ドーパミンを増やす」という作用です。それに対してヨヒンベは独自成分であるヨヒンビンが「興奮を鎮める物質の分泌を抑制する」というアプローチで「やる気が出る」のです。
ヨヒンベはアフリカ原産のアカネ科の植物の樹皮で、現地では古くから媚薬として用いられてきた歴史があります。
どの辺がキケンなの?
ヨヒンベは大量摂取による死亡例もあり、劇薬と表現されることもあります。副作用としては嘔吐、頭痛、高血圧などがあります。世界的に規制の動きが見られますが、健康補助食品としてサプリメントが販売されている地域もあります。ヨヒンベは日本では医薬品に指定されています。
ヨヒンベの作用は上述の通り「ドーパミンを減らさない」というものですので、大量に摂取したからといって効果が激烈に現れるわけではありません。つまり、大量摂取には何のメリットもなく、適量で充分な効果が見込めるということです。
「やる気が出ない」というのは現代における深刻な事象のひとつであるので、ヨヒンベが有用に問題を解決することもあるでしょう。試してみる場合にはごく少量から飲んでみることをおすすめします。
3. トリビュラス ―やんごとなき救急搬送
男性ホルモン・テストステロンの増加
トリビュラスはテストステロンを増加させるとして、スポーツ・筋トレサプリとして人気があります。特にメンタル改善(元気になる)作用はエビデンスとしてほぼ確立しています。
トリビュラスはユーラシア大陸に広く分布するハマビシ科の植物で、浜菱(ハマビシ)という名の通り日本でも海岸沿いに自生しています。トリビュラスも歴史のあるハーブであり、インドの伝統医学アーユルヴェーダの他、シツリシ(蒺藜子)という名前で漢方薬として用いられてきました。特にアーユルヴェーダでは精力剤として使われていたとのことです。
どの辺がキケンなの?
トリビュラスは一度の大量摂取による副作用の報告が比較的多めであるものの、適量であれば8週間までの摂取は安全性が確認されています。
但し、下記の如き副作用も1件だけですが報告されているので紹介します。
ハマビシ、トリビュラス|「健康食品」の素材情報データベース
あまりにも強烈なエピソードで笑ってしまったのですが、精力剤としてかなりキケンなポテンシャルを秘めているようです。トリビュラスは30代に入って心身の衰えを感じる男性に特におすすめです。
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