【日本人の殆どが不足!】マグネシウムを1年間飲んでみた感想とその効果
はじめにマグネシウムの3つの特徴
人体にとって重要であるにも関わらず現代人が不足しがちな栄養素の代表
抗うつ作用や記憶力の向上など、脳にとってポジティブな影響を与えることがわかっている
睡眠の悩みを抱える人にも一番最初におすすめできるサプリメント
マグネシウムとは?
WHOによるマグネシウムの推奨摂取量が1日420mgであるのに対し、日本人における平均摂取量は1日240〜244mgであると推定されています(平成22年国民健康・栄養調査)。つまり日本人はマグネシウム不足であるということです。マグネシウムは加工食品には殆ど含まれないため、現代人は慢性的なマグネシウム不足に陥っているという考え方が一般的です。
マグネシウムは人体にとって極めて重要なミネラルの一種で、300種類以上の酵素反応に関与しているとされます。つまり、マグネシウムは人の活動におけるあらゆる事象に必要不可欠なものであり、その欠乏は不調を招き得ると考えて間違いありません。
また、マグネシウムと密接な関係にあるミネラルとしてカルシウムが挙げられます。カルシウムについては例えば「骨を強くする」などとその効能が広く知られていますが、カルシウムと相互作用のあるマグネシウムについてはあまり世間で話題になることも少ないように思います。重要なのはカルシウムとマグネシウムをバランス良く摂ることです。カルシウムばかり摂っていてもマグネシウムが足りないとむしろ不調を招くという研究結果もあります。
大事なのはバランスの良い食生活ですが、サプリメントで栄養を補うとしたらマグネシウムは第一候補に挙げるべきもののひとつです。下記でマグネシウムのスマドラ効果を見ていきましょう
マグネシウムの効果
抗うつ作用
マグネシウムがうつ病に効果があるのではないかという仮説があります。根拠としては、
1. マグネシウムが欠乏すると脳内NMDA受容体が機能不全に陥ってしまうこと(脳機能が鈍化する)
2. その証拠に、うつ病患者は脳内マグネシウム量が低い傾向にあること
3. 抗うつ薬には脳内マグネシウム量を高める効果があること
事実、2008年に行われた試験ではマグネシウムの投与によって糖尿性うつ病に効果があったとの報告(参照論文)があり、2016年のイランでの試験でも1日500mg(250mgを2回)のマグネシウムで投与で2ヶ月後にうつ尺度が平均でおよそ60%低下したと報告されています(参照論文)。
マグネシウムのうつ病への効果は現時点で厳密には仮説の域を出ませんが、「効果があるだろう」というポジティブな段階ではあるように思えます。更なる知見の積み重ねによって科学的に実証されていくことが求められます。
また、抗うつ効果があるということは、ストレスへの抵抗力や不安感の軽減にも効果があることを充分に示唆するものでもあります。マグネシウムを摂取して得をすることはあれど、損をすることは殆どないと言えるでしょう。
睡眠の質の向上
睡眠の悩みを改善する鉄板サプリメントにメラトニンがありますが、それと双璧をなすものとしてマグネシウムがあります。マグネシウム不足によるNMDA受容体機能不全によって神経系が乱れると、脳がなかなか落ち着かずに寝付きが悪くなってしまうのです。
事実、1日320mgのマグネシウム摂取を7日間続けたところ被験者の睡眠の質が改善されたとの報告があり、マグネシウムの欠乏は睡眠の質を低下させることが示唆されています(参照論文)。他のブログなどおいて、睡眠改善の文脈でマグネシウムが登場することはあまりないのですが、灯台下暗し、確かな効果があると見ていいでしょう。様々なサプリを試したけれど眠りが改善されないという人は是非とも試してみましょう。
記憶力の向上
記憶力低下の一因として、NMDA受容体の機能不全が指摘されている。実際、アルツハイマー薬のメマンチンはNMDA受容体へのマグネシウム阻害と同様の薬理作用を持っている。宮下氏ら研究グループは、今回の結果から、老化による記憶低下や、アルツハイマー病のメカニズムの一部が明らかになると考えている。
マグネシウムは人体において骨の他には脳に多く存在するものですので、充分な摂取は脳機能全般において有効な効果を発揮するものです。記憶力や学習能力の向上もそのひとつです。これについてはヒトを対象にして実証された研究結果が少ないのですが、理論上は学習能力を増進させる働きがあると見ていいでしょう。
「Forbes」誌上に発表された「強くて健康な脳のために摂るべき4つの栄養素(Eat More Of These Four Things For A Stronger, Healthier Brain)」というコラムにおいては、脳機能を維持・向上させるために「ビタミンD」「DHA」「葉酸」「マグネシウム」の4つが推奨されています。
マグネシウムのその他の効果
・偏頭痛の予防
・軽中等度の高血圧の治療
・胃酸過多、胃食道逆流疾患の症状緩和 (胃酸中和)
・月経前症候群(PMS)の緩和
・腎結石の予防
・傷の治癒を早める
マグネシウムに副作用はある?
マグネシウムは通常の食品に由来する成分であるため適切に用いる限り有害な事象や副作用は確認されておらず、通常の食品によるマグネシウムの過剰摂取で健康障害を起こした事例はありません。過剰摂取分は下痢を起こすなどして速やかに体外へ排出されます。
サプリメントで摂取する場合、過剰摂取によって下痢や高マグネシウム血症を起こす可能性があるので、適量を遵守することが重要です。
また、医薬品との相互作用によって副作用が発現する可能性があるので、何らかの薬を常用している人は医師に相談の上で摂取するようにしましょう。
マグネシウムの基準摂取量
“「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書“によれば、成人男女のマグネシウムの推奨摂取量は300〜350mgとなっています。
マグネシウムは汗として体外へ流れ出る他、アルコールを分解する際に大量に消費されてしまうので、運動や飲酒をする習慣のある人は意識して摂取することが望まれます。また、高齢者ほどマグネシウムが欠乏している傾向にあることもわかっています。
マグネシウムはカルシウムとの拮抗作用があり「マグネシウム:カルシウム=1:2」の割合で摂取することが理想であると考えられています。マグネシウム不足は要するにカルシウムに対してマグネシウム摂取量が相対的に少ないことが原因です。カルシウムに比べてマグネシウムはあまり注目されない栄養素であるような気がしますので、適量を積極的に摂取することが要請されます。
マグネシウムが含まれる食べ物
マグネシウムは海藻や魚介類に多く含まれる他、ナッツ類や大豆製品にも比較的多く含有されています。
現代のマグネシウム不足の一因として、肉や加工食品、清涼飲料水に含まれるリンがマグネシウムの吸収を阻害してしまうことが挙げられます。そもそもの摂取量が足りない上に吸収が妨げられているというわけです。マグネシウムはサプリメントでの補助が最も合理的な栄養素のうちのひとつです。
マグネシウムを飲むタイミング
マグネシウムサプリメントは食後に飲むのがベストで推奨されるタイミングです。私の場合、マグネシウムや亜鉛などのミネラルサプリメントは空腹時に飲むと胃を荒らしてしまう傾向にあるので、必ず食後に飲むようにしています。
マグネシウムサプリを1年間飲んでみた感想
マグネシウムサプリメントは1年前から常用しています。過剰摂取を避けるために2日に1回のペースで服用しています。飲み始めた理由は3つあります。
1. 現代人は慢性的なマグネシウム不足であると指摘されていたこと
2. 毎晩それなりの量のアルコールを飲むこと
3. 寝付きがとても悪いこと
飲み始めてわかったことは「マグネシウムサプリを飲むと調子が良い」ということです。夕食後に飲むことにしているのですが、翌日はやる気が底上げされていて身体と頭が軽い感じがします。「仕事しなきゃなー、でもなー」とぐずぐずすることが目に見えて少なくなっています。寝付き、目覚め共にとても良いです。
どちらかというと地味な効果であるかもしれません。特にスマドラの中では「N-アセチルチロシン」のように「飲むとすぐにやる気が出る」というすごいものもあって、それに比べると効果は緩やかであるかもしれません。
しかし、そこが気に入っています。劇的ではなく、自然と健康の底上げに繋がっている実感が持てることが信頼のおける証拠であるように思います。加齢とともにマグネシウム不足になりがちとのことなので、これからも飲み続けていきたいと思っています。
マグネシウムサプリと飲み合わせの良いサプリメント
同じミネラルである亜鉛も食生活の偏りによって不足しがちです。「現代人はミネラル不足」と言われる時、それは主に「亜鉛」と「マグネシウム」のことを指します。
マグネシウムサプリの購入方法
マグネシウムサプリメントは広く流通しており、ドラッグストア等で購入することができます。
▲マグネシウムに加え、マグネシウムと拮抗作用のあるカルシウム、不足しがちな重要なミネラルである亜鉛が含有されたサプリメントです。特に亜鉛の摂取が必要な男性にはこちらがおすすめです。
▲マグネシウムやカルシウム、亜鉛に加えて、鉄、銅、クロムなどの各種ミネラルがバランス良く含まれているマルチミネラルサプリです。鉄分が不足しがちな女性にはこちらがおすすめです。
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